認知症の人の葛藤に学ぶ(精神医学の知と技)
304頁
四六判 上製
長年、認知症の研究に従事してきた著者が、難しいといわれる「認知症の精神療法」について、その意義、留意点、実践方法を語る。
精神療法を用いた、著者と認知症の人・家族の対話は22例を収載。それぞれの認知症の人・家族が抱く想い・葛藤と、その人たちを支え、本人らしくあってほしいと願う著者の想いが満ちており、心を揺さぶられる。
認知症の人にかかわる全ての人にお勧めの1冊。
目次
はじめに
序章
一 聴くことの意義
二 心情への寄り添い
三 認知症の人への支持的精神療法
四 非薬物療法としての支持的精神療法
五 認知症医療とケアの最終目標
第一章 認知症の人における精神療法の留意点
一 支持的精神療法の意義
二 受診への抵抗
三 初対面から初期診療へ
四 病感・病識を把握しながら
五 認知症の人が望む告知とは
六 告知から治療導入へ
七 再診の留意点
八 認知症の行動・心理症状(BPSD)とみなす前に
九 認知症の人の精神的苦痛
十 傾聴はニーズへの応答である
十一 あらためて共感とは
十二 高度の認知症の人との対話
十三 それぞれの認知症における心理的支援
第二章 対話例からみた精神療法の実践
一 症例
二 対話の継続をめぐって
第三章 精神疾患を対象とした精神療法の知見を参考に
一 認知症に試みられている精神療法とは
二 精神療法の共通要因
三 折衷的アプローチ
四 治療効果に寄与する共通要因
五 認知超にも有効な支援的要素
六 自身の変化への気づき
七 「自然回復」を促す要因
第四章 認知症基本法から医師決定支援へ
一 認知症基本法と基本計画
二 共生社会とは
三 人権に基づいたアプローチ
四 認知症観の変化が医療にもたらす影響
五 根拠に基づく医療(EBM)
六 共同意思決定(SDM)とは
七 SDMによる患者主体の医療
八 SDMと倫理原則
九 SDMを難しくする要因
十 意思決定の四類型
十一 意思決定支援のためのガイドライン
第五章 意思決定場面における対話
一 認知症治療薬の内服・点滴をめぐって
二 抗Aβ抗体治療薬の情報提供と意思決定支援
三 抗精神病薬の処方と説明
四 運転免許にかかわる心理的抵抗
五 子との同居
六 認知症医療とケア現場は意思決定の連続である
七 施設入所における自己決定と日本的幸福観
第六章 死と孤独
一 希死念慮(自殺念慮)
二 孤立と孤独・孤独感
三 高齢者における死の意味づけについて
第七章 家族
一 いのちの授業で教えられた家族の本来
結語にかえて-認知症の受容をめぐって-
一 サクセスフル・エイジング
あとがき-認知症からの解放-
〈付録〉 認知症対策

